証券会社の中には、機関投資家の取引時のマーケットインパクト回避のニーズに応えるために、気配情報を表示しない形で、顧客同士の同数量の買い注文と売り注文を同時に東京証券取引所立会外市場(ToSTNeT)に取り次ぎ立会外取引を成立させるサービス(いわゆるダークプール)を提供している会社も多くあります。また、価格改善の提供を目的とした個人投資家向けダークプールも広がってきました。
Kai-X(正式名称、”Cboe Kai-X”)も、ダークプールと仕組みは同じですが、その参加者は証券会社です。Kai-Xが証券会社の売買ニーズを媒介し、各証券会社が遅滞なくToSTNeTに取り次ぎ立会外取引を成立させます。Kai-Xを利用する証券会社にとっては、社外からの流動性ソーシング手段として、また、自社ダークプールを持たない証券会社にとっては、社外ダークプールとしてKai-Xを位置づけることができます。また、レイテンシー差を利用する取引が出来にくい仕組みを備えていることで、より質の高い流動性の確保が可能になっています。
下記取引ルールは、マーケットガイドからの抜粋です。詳細は、ドキュメントライブラリ欄に掲載のマーケットガイドをご覧ください。
取引対象
本邦上場株式(上場受益証券等を含む)の中から当社が選定した銘柄を取引対象とします。現在は、東証を主市場とする普通株、ETF、REIT(外国株・外国ETFを除く)が取引可能です。取引する際の株数単位は、東証に準じます。
取引時間
営業日(東証と同じ)の9:00~11:30、12:30~15:00 (日本標準時)です。
取引ルール
時間優先の原則で指値注文の媒介を継続的して行います。ただし、同じ証券会社の注文同士が他の証券会社の注文に優先します。取引の内容(価格、株数等)は証券会社へ連携され、当該証券会社は、延滞なく東京証券取引所立会外市場(「ToSTNeT」)へ取次ぐことで、立会外取引を成立させます。
指値注文は、東証の最良気配を参照した価格にペグされた形態(下記3種類)です。
それぞれ、上限価格/下限価格や、Day、IOC、FOKの期限が設定できます。
呼値の刻みは、0.01円。ただし、売買単位が10株の銘柄は呼値を0.1円、1株の銘柄は1円とします。
最小株数設定
注文内容に、最小株数を設定する場合、当該株数未満の注文とは取引を成立させません。
リスク管理機能
下記のハードリミットチェックは、Kai-X の注文受注の際およびToSTNeTへの取引内容報告の際に実施されます。
媒介数量 | 一媒介依頼当たりの上限数量(各参加証券会社が設定)を超える注文は受け付けません |
媒介金額 | 一媒介依頼当たりの上限金額(各参加証券会社が設定)を超える注文は受け付けません |
また、ニーズに応じてその他のリスク管理機能・サービスも提供しています。
接続不備時の自動キャンセル | 接続不備の場合は、全ての未成約依頼が自動的に取り消されます |
ToSTNeT不備時の自動キャンセル | 接続不備の場合や、ToSTNeTからの約定報告待ちが一定時間を超える場合は、約定報告待ちの媒介依頼は自動的に取り消されます。 |
ドロップコピー | 媒介メッセージのコピーをリアルタイムで配信します。媒介依頼者自身のリスクマネジメントに活用できます。 |
自己クロス防止 | 同一依頼者同士、同一投資家同士の対当を防止します。 |
Kill Switch | 媒介依頼用FIXセッションおよび付帯サービスにて利用のToSTNeTセッションに対し、依頼者自身が媒介依頼を中止する機能です。 |
取引参加者(2022年2月時点)
(英語名アルファベット順)